目次
はじめに
筆者は新卒某ソフトウェア開発会社に入社し、スマホアプリ開発やSEのようなことなどを数年携わってきました。その中でも、新入社員の面倒を見たり、年上の派遣社員さんと仕事したりと、さまざまな内容・体制で仕事をしてきました。
本記事では、筆者の経験をもとに新卒でプログラマになる方向けの心構えや気をつけてほしいポイントについてお話しします。これを抑えておけば「いい新人が入ってきた」と思ってもらえる可能性があがると思います。
新入社員というカードを有効活用しよう
新卒で入社すると、数ヶ月の研修を受けて部署へ配属されることになると思います。その時にはじめて上司や先輩社員に会って、いきなり実際の業務に入るようなケースが大半だと思います。学生の頃とは異なり、いきなり一回り年上の方と仕事をするとなりますので、緊張する方が多いと思います。
そんな時に億劫にならず、積極的に動くことで他の新入社員と差をつけましょう。この「積極的に動く」際、新入社員だから許されるということがいくつかあります。
分からないことがあればとにかく質問をする
タイトルを見た大半の方は、「いやいや、誰でも出来るでしょ」と思われるかもしれませんが、これが出来ない新入社員の方が半数は居ます。コミュ力の高い人であればすぐに先輩社員と打ち解けてこれが出来るのですが、理系出身の中だとそういう方は基本的に少ない印象です。そういう方に対して「分からないことがあればなんでも聞いてね」と伝えても、うまく取り組めないのです。
上記のような新卒の方は、下記のような考えを持っていることが多いです。こういった考えを持っている場合は、基本的に頭から取っ払いましょう。
- 先輩社員は忙しそうに見え、質問すると迷惑をかけてしまうと考えている
- 「分からない」ことが恥ずかしいと思っている
直属の先輩社員は、「新入社員を育成すること」が仕事なので「質問すること」は迷惑ではありません。ちなみに、「分からない」まま仕事を進めてしまうほうが大きな問題です。億劫にならず、どしどし先輩に質問するようにしましょう。
(もちろん本当に手が塞がっているケースもあると思いますので、その時は「xx時からよろしいでしょうか」といった感じでスケジュールを確保してみましょう。)
ただ、前述したとおり、質問を繰り返すのが許されるのは入社1・2年目あたりまでと思った方が良いです。3年目になればあなたはすでに後輩社員を持つ立場ですから、ポイントを押さえた的確な質問が出来るようになっておく必要があります。
質問に移るまでのルールを決める
すぐに質問するようにする、といっても「すぐ」とは一体どれぐらいの時間が適切なのでしょうか?30分?1時間?半日?
これは正確な答えはないのですが、個人的には15分がベストだと思っています。前提知識のない状況ではgoogleに頼ろうとしても何を検索すれば答えが得られるのか分からないケースが大半であり、個人の力だけで解決できるような内容であれば15分もあれば目星は付くはずです。もちろん必ず15分で質問しろ、というわけではありませんので参考程度にしてください。この辺りは質問を繰り返していけば感覚がわかると思います。
質問の質を上げる
質問の質を上げないと先輩社員からは見限られてしまう可能性があります。この「質問の質」についてプログラマーのケースを例に説明したいと思います。
アプリ開発のプロジェクトに配属され、環境構築から行うことになりました。環境構築用の説明資料を読みながら作業を進めましたが、開発用のツールがエラーを吐いて説明資料どおりに進みません。これ以上手が打てないと判断し、先輩に質問することにしました。
悪い例:
環境構築資料を読んだのですがエラーが出てうまくいきません。助けてください。
良い例:
環境構築資料のxxページの手順3を行ったのですが、開発用ツールが”xxxxxxxx”というエラーを出力し、次の手順に進めませんでした。xxxxコマンドを実行しても復旧しなかったため、同じエラーをgoogleで検索したのですが対処法が詳しく出てきませんでした。一緒に確認していただけないでしょうか?
こうして比較すると後者のほうがわかりやすい質問なのは一目瞭然だと思います。ただ、これをうまく出来ない新人の方は多いです。質問するにあたって、以下のポイントを必ず抑えるようにしましょう。
- 問題が発生するまでに行なった内容を整理する
- 具体的な情報(今回の例でいうとどのツールがどんなエラーを出力したか)を伝える
- 具体的な情報に対して、自分が打った手を説明する
口頭であれば上記ぐらいで伝えて、詳細は一緒に確認してもらいながら進める、といった形で問題ないですが、最近は在宅勤務も増えており、テキストでやりとりすることも多いと思います。そんな時は以下のページが参考になると思います。これはパブリックのメーリングリストへ質問する時のもののため、かなり細かく丁寧な説明がされています。正直、社内で先輩に聞く時はここまで畏まる必要は無いと思いますが、考え方はとても参考になります。
参考:技術系メーリングリストで質問するときのパターン・ランゲージ
言われたことをすべて信用しない
いやいや、これまで質問しろ(つまり先輩の回答を信じろ)ということを言ってきたじゃないか、と思われるかもしれません。これは諸刃の剣ではあるのですが、「誤っている、違う」と感じた時は正直に伝えるのも重要です。
- 自分はAだと思うのですが、なぜBなのでしょうか?
- Bであるメリットは何でしょうか?(Aのデメリットは何でしょうか?)
これもいわば質問の延長線上であることがわかると思います。ただ、これを繰り返すと「先輩社員の言うことを否定しまくってくるやつ」というレッテルを貼られかねません。ですので、必ず自身の考えを提示するようにしましょう。その内容が誤っていれば「ああ、こいつはただ勘違いしてるだけなんだな」という柔らかい印象になります。
「自身の考え」をぶつけることは大事です。新入社員の方も何年かすれば昇格することになると思いますが、そういった時の面接では「自分が何をしたいのか」「自分がどのように考えて、どう行動しようとしているのか」を重要視されることが多いため、その練習にも繋がります。
最後に
本記事では、筆者の経験をもとに新卒の方に覚えておいてほしいこと、気をつけてほしいことをざっくり説明しました。あくまでも個人の経験であり、職場によって雰囲気や方向性が違うこともあると思います。ただ、「質問の質を上げてうまく立ち回る」ことは今後社会人として生きていくためには必須のスキルですから、ぜひ新人の間に学び、取り組み、成長していってほしいと思います。
コメントを残す